「食事制限しても全然痩せない」「運動しても体重がびくともしない」──そんな悩みを抱えるアラフォー女性は少なくありません。
年齢による代謝低下も一因ですが、実は“病気”が関係しているケースもあります。この記事では、痩せにくくなる病気について詳しく解説します。
1. 痩せないのは「努力不足」ではない?
40代になると、ホルモンバランスや筋肉量の低下など、体の仕組みが大きく変化します。
そのため、若い頃と同じ生活習慣では体重コントロールが難しくなります。
しかし、努力しても全く変化がない場合は、「体の内部の異変」を疑うことも必要です。
特に、以下のような症状がある場合は、医療機関の受診を検討しましょう。
- 食欲がないのに太っていく
- むくみがひどい
- 体がだるく、朝起きられない
- 体温が低く、手足が冷える
- 月経不順や肌荒れが目立つ
2. 甲状腺機能低下症:代謝のスイッチが入らない
「甲状腺機能低下症」は、体の代謝をコントロールする甲状腺ホルモンが不足する病気です。
特に女性に多く、発症のピークは40代〜50代。
主な症状
- 体重が増えやすい、または減りにくい
- 疲労感・倦怠感
- 冷え性、便秘
- 顔や手足のむくみ
- 気分の落ち込み(うつ状態)
原因としては、橋本病(慢性甲状腺炎)が最も多く、自己免疫によって甲状腺が炎症を起こします。
血液検査でホルモン値(TSH・FT4など)を調べれば診断が可能です。治療はホルモン剤の服用で行い、適切に治療すれば代謝も徐々に回復します。
3. ネフローゼ症候群:むくみ太りの正体
「むくみが取れない」「体重がどんどん増える」──そんな場合に疑われるのが、ネフローゼ症候群です。これは腎臓のろ過機能が低下し、尿からタンパク質が大量に漏れ出してしまう病気です。
主な症状
- 全身のむくみ(特にまぶた・足)
- 急激な体重増加
- 尿の泡立ち
- 倦怠感・食欲低下
脂肪が増えているわけではなく、水分や老廃物が体内にたまっている状態です。
腎臓内科で尿検査・血液検査を行うことで診断できます。治療は、原因に応じてステロイド薬や利尿薬、食事療法(塩分・タンパク質制限)などが行われます。
4. 婦人科系のトラブルも「痩せにくさ」に影響
女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)のバランスが崩れると、体は“守りモード”に入り、脂肪をため込みやすくなります。
特にアラフォー世代では、更年期の入り口に差しかかり、ホルモン変動が大きくなるため、痩せにくさを感じる人が増加します。

代表的な婦人科疾患
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
卵巣に多数の小さな卵胞がたまり、排卵障害を起こす病気。インスリン抵抗性を伴いやすく、太りやすい体質になります。 - 子宮筋腫
貧血や下腹部の張り・むくみを引き起こし、代謝低下の一因になることも。 - 更年期障害
エストロゲンの減少で代謝が落ち、体脂肪の分布も変化。特に内臓脂肪が増えやすくなります。
5. その他の原因もチェック
病気とまではいかなくても、次のような要因も「痩せない」原因になることがあります。
- 睡眠不足:ホルモンバランスが乱れ、食欲増進ホルモン(グレリン)が増える
- ストレス過多:副腎疲労やコルチゾール過剰で脂肪をためこみやすくなる
- 極端な食事制限:基礎代謝の低下を招き、リバウンド体質に
「痩せない」と悩んでいる時ほど、焦らずに“体の声”を聞くことが大切です。
体重だけでなく、むくみ・体温・睡眠・気分など、全身のサインに目を向けましょう。
6. 受診すべき診療科の目安
| 主な症状 | 受診科 |
|---|---|
| むくみ・体重増加 | 内科・腎臓内科 |
| 疲れ・冷え・気分の落ち込み | 内分泌科・甲状腺外来 |
| 月経不順・下腹部痛 | 婦人科 |
症状が複数当てはまる場合は、総合内科から紹介を受けるのもおすすめです。
早期に検査すれば、症状が軽いうちに治療を始められます。
7. アラフォー女性に伝えたいこと
「痩せない=努力不足」と決めつけないでください。
40代は、心も体も変化の時期。自分を責めるよりも、まずは体の仕組みを理解し、必要に応じて医師の力を借りましょう。
適度な運動、たんぱく質中心の食事、十分な睡眠。そして、体の異変を見逃さない“自己観察力”。
これこそが、アラフォーからの「美と健康を守る第一歩」です。
まとめ

- 努力しても痩せない場合、病気の可能性もある
- 代表的な原因は「甲状腺機能低下症」「ネフローゼ症候群」「婦人科系疾患」
- むくみや体調変化を感じたら、早めに医療機関へ
「健康的に痩せる」は、「健康を整える」ことから始まります。
アラフォーの今こそ、自分の体をいたわるタイミングかもしれません。
お互いに、健康に歳を重ねていきましょうね!


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