「なんでそんな言い方をするの?」「さっきまで普通だったのに…」。
思春期の子どもを育てていると、まるで地雷を踏むような毎日に感じることがありますよね。
幼かった頃の可愛い笑顔が嘘のように、ドアをバタンと閉められ、ため息ばかりつかれる日々。
けれど、これは“親離れ”と“子離れ”が静かに始まっているサインでもあります。
思春期の反抗とは・・・
1. 反抗の裏には「自立したい気持ち」がある
思春期の反抗は、単なるわがままではありません。
自分の考えや意志を持ちはじめた証拠です。親に対して強い言葉をぶつけるのも、「認めてほしい」「自分を分かってほしい」という心の叫びです。
たとえば、学校や友人関係でストレスを感じている時、親の一言が引き金となって爆発することもあります。
その背景には、「安心できる場所でしか感情を出せない」という、子どもの甘えが隠れているのです。
だからこそ、親が受け止める姿勢を見せることが大切です。
「そんな言い方しないで!」と反応する前に、一呼吸おいて「何かあった?」と穏やかに聞いてみましょう。
2. 「信じたいけど信じられない」時の心の持ち方
思春期の子どもが嘘をついたり、隠し事をしたりすると、親の心は大きく揺れます。
信頼していた分だけ、裏切られたように感じることもあります。
でも、嘘は必ずしも「悪」ではありません。
子どもにとっては、親に心配をかけたくない、叱られたくないという防衛本能でもあるのです。
「嘘をつかれたからもう信じられない」「約束したのに裏切られた」というような感情は、ちょっと危険かもしれません。
大切なのは、嘘そのものを責めるのではなく、「どうしてそうしたのか?」を理解する姿勢です。
私たち親も、今まで生きてきて1度も嘘をついたことはないという人はほぼいないと思っています。
だけど子どもには完璧な嘘をつかないことを求めるのは、筋が違うと考えます。(ここでは虚言癖と分けて書いています。ご認識のほどお願いしますね)
信じるとは、“完全に信用する”ことではなく、“見守る勇気を持つ”こと。
その視点を持てると、親の心も少し軽くなります。
3. 過干渉も放任も「愛の形を見失う」サイン
思春期の子どもにとって、親の距離感はとても敏感に感じ取られます。
必要以上に口を出す「過干渉」は、子どもの自立を妨げる一方、放任しすぎると「自分なんてどうでもいい存在なんだ」と孤独を感じさせてしまいます。
理想は「見守る関係」。
具体的には、
・一日の中でほんの数分でも「どうだった?」と声をかける
・答えがそっけなくても「聞いてるよ」という態度を続ける
・アドバイスより「共感」を意識する
この3つだけで、子どもは「自分は愛されている」と感じられるのです。
4. 親のメンタルを保つことは「育児の一部」
思春期の子どもと向き合う時、実は一番大変なのは「親の心のコントロール」です。
感情的になってしまったり、落ち込みすぎたり…。
それは誰にでも起こる自然な反応です。
そんな時は、まず「親も一人の人間」として自分を労ることを忘れないでください。
心が疲れた時に我慢を続けると、無意識にネグレクトや過干渉という形で表れることもあります。
おすすめは、気持ちを「書き出す」こと。
ノートに今日感じたモヤモヤを書くだけで、心が整理され、冷静さを取り戻しやすくなります。
これは「ジャーナリング」と呼ばれており、検索すると色々とやり方や効果などの情報が得られますので、よかったら調べて試してみてくださいね。
5. 会話のない日があっても「愛情は伝わる」
最近はスマホやSNSの影響もあり、親子の会話が減っているご家庭も多いですよね。
でも、会話がない=関係が悪いとは限りません。
思春期の子どもは、言葉よりも“安心できる空気”を求めています。
たとえば、同じ空間で静かに過ごすだけでも「自分は守られている」と感じることがあります。
焦らず、沈黙の時間も「信頼の一部」として受け止めてみましょう。

6. 思春期の先にある「親子の再スタート」
反抗期は永遠に続くわけではありません。
やがて子どもは、自分の力で社会と向き合うようになります。
その時に「親はいつも味方だった」と思ってもらえるような関係を築くことが、今できる最高の準備です。
思春期は、親子の“試練の時間”であると同時に、“信頼を再構築する時間”でもあります。
苦しい日々の中にも、必ず学びと絆が育っていることを忘れずにいてほしいです。
笑顔で向き合える日は、行動し続けていれば訪れると思っています。

まとめ-思春期の接し方で大切なのは「信じる勇気」
思春期の子どもと接する時、完璧な親である必要はありません。
正解は「信じようとする気持ち」を持ち続けること。
その姿勢こそが、子どもにとっての「安心」になり、親子の関係をゆっくりと修復していく力になります。
今日もどうか、自分を責めずに。
あなたの“見守る愛情”は、きっと子どもに届いています。


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